診療内容

肝臓内科診療

「沈黙の臓器」と言われる肝臓は、病気になってもはっきりとした自覚症状が少ないため、定期健康診断などで初めて肝機能異常を指摘されることが多いです。症状がないからといって放っておくと、症状が出現したときには、肝硬変や肝ガンといった重篤な事態になっている可能性があります。

肝機能障害の自覚症状

・いつもほどお酒を飲めなくなる。酔いやすい。
・体がだるい、疲れやすい
・食欲がない、吐き気、発熱などの風邪のような症状
・黄疸(眼球や尿が黄色っぽい。)

代表的な肝臓病

B型肝炎

急性肝炎:発症後は入院安静とし、対症療法を行います。重症化した場合には、抗ウイルス剤の投与を行う場合があります。稀に、劇症化し、抗ウイルス剤や対症療法が無効な場合には、肝移救命のために肝移植が必要となります。
慢性肝炎:35歳以上では、エンテカビル(抗ウイルス剤)を原則投与とし、35歳未満では、インターフェロンが第1選択です。

予防策として、B型肝炎ワクチンが有効です。性交渉や刺青などによる水平感染が主な感染ルートであるため、アメリカでは小学生から、ワクチン投与が行われています。少なくとも、多発地域への旅行の際には、接種されることが望ましいでしょう。

C型肝炎

現在の日本人の肝臓病の中で最も問題とされているC型慢性肝炎ウイルス(HCV)は、主に血液を介して感染し、呼吸、飲食、単なる皮膚の接触などでうつる心配はありません。性交渉でうつる心配はまったくないとはいえませんが、その確率は非常に低いと考えられています。最近のインターフェロン・リバビリン療法の進歩により、その治療成績は目覚ましく向上しています。HCV量が少ないほど効きやすいと言われ、タイプによりその効果は異なりますが、40〜70%のひとでHCVの排除が可能です。
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非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)

脂肪肝のなかに、肝炎を生じて肝硬変に移行する場合があります。最近、増加傾向にあり、肥満、糖尿病、高脂血症などメタボリック症候群の人々は特に注意を要します。

肝細胞がん

B型・C型ウイルス性肝硬変を有する方々は、肝がんの発症頻度が高いため、それと診断された場合には、定期的な腹部超音波検査や腹部CT検査により、肝がんの早期発見に努めることが重要です。NASHなどの肝臓に炎症が持続した状態が続くと肝癌の発症頻度が高まります。

胆石、胆嚢ポリープ、膵炎などの診断と治療

胆石とは、胆のうや胆菅などにできたコレステロールを多く含む結晶です。しかしながら、約80%の方々は、症状を認めず、人間ドックを契機にはじめて発見されるようです。胆石の原因の一つに、高カロリーで動物性タンパク中心の西洋型の食事があります。また、朝食抜きなどの不規則な食生活を続けた場合や食事の栄養バランスが偏っている場合にも、胆石ができやすいようです。
胆嚢結石は、腹痛、発熱、黄疸などの症状を有した場合に治療対象となることが多いです。
総胆管結石症は、総肝管と総胆管にできる結石のことです。疝痛発作や黄疸が起こりやすく、化膿性胆管炎を起こすと命に関わる危険があるので、早めの治療が必要です。 肝内結石症は、痛みがほとんどなくて気が付かない人もいるようです。しかし、胆管がんを合併していることもあるので、注意しなければならない胆石症です。

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